Tournament article

フジサンケイクラシック 2024

選手全員36ホールでの競技成立に感謝

最終日の朝。富士桜のコース管理棟では「よし、きょうは54ホールやるぞ!」と、一丸となったそうだ。

しかし、その矢先に、大会本部では2ラウンド=36ホールの短縮が決定。


「残念でした」と、声をそろえた和泉グリーンキーパーと、天野サブキーパー(=写真下右から)。



もっとも、もしその36ホールすら消化できなければ、ツアー規程により大会は不成立。
当然、賞金ランキングへの加算賞金もない。


大会消滅の危機から免れたのも、和泉グリーンキーパー率いるコース管理の方々のおかげだ。

「チームワークで頑張りました」と、和泉グリーンキーパー。

短期決戦を制した平田も「夜中まで作業してくださったと聞いています」と、感謝に堪えない。


長く居座り続けた台風10号の影響で、コース整備は昼夜を問わず、通常営業時は7人での管理業務も、系列コースや本社からの応援要員は日に日に膨れ、最後は60人態勢での徹夜作業となった。

ご苦労は、察するにあまりある。


戸張捷(とばり・しょう)大会ゼネラルプロデューサーは、プロゴルフトーナメントを手掛けて50余年の経験を持ち、本大会でも2011年に36ホールに短縮した例があるが、「これほどプレーを動かして止めて、というのを繰り返したのは初めて」と、3日続いた競技順延を振り返る。


「これほど気まぐれな台風も初めて」と嘆息し、「サスペンデッドの再開は、いっせいにプレーをやらせるから、全ホールプレーができる状況にしないといけない。大変なんです。コースがよく耐えてくれた」と、和泉グリーンキーパーらの労をねぎらい「半分にはなってしまったけど、選手にも賞金加算ができてよかった」と安堵した。


なお今回は、主催者のご厚意で、60位以下の賞金配分対象以外の選手にも、一律10万円が配布されることになった。

選手会長の谷原秀人も、「36ホールになってしまったのは残念でしたが、大会を成立していただき選手みんな喜んでいます。本当にありがとうございます」と、心からの謝意を述べた。


またコース管理の方々をはじめ、延べ700人態勢で協力くださったボランティアのみなさま、関係者のみなさま、何より、足場の悪い中、駆け付けてくださったギャラリーのみなさま。

「こんな状況でも僕らのプレーを見に来てくださって、選手全員すごく力になりました。僕自身こうした形の優勝は、考えもしていなかったですが、みなさまのおかげで2勝目をあげることができました。本当にありがとうございました」(平田憲聖)。


関連記事