「もったいないところはたくさんあったので、課題の残るセカンドラウンドでした」と、自身にとって前日初日よりも心残りのある1日になったのは確かだ。
特に悔やまれるのは7番、15番ホールでの2度の池ポチャ。
ただ、それぞれパーで切り抜けたのは見事としかいいようがない。
「7番に入れたときは、どうやってパーを取ろうかなと気持ちを切り替えられました。今日はあそこをパーで終えるかボギーにするかで、全然違う1日になったと思うので、そこは池に入れたけど、良いホールになりました」といつもの冷静さは失わなかったようだ。
最終、18番ホールでもピンチを迎えた。
セカンドショットがバンカーに入り、ボギーの可能性もみえたところで運命のサードショット。
これがカップに吸い込まれ、チップインバーディ。
ギャラリーからもひときわ大きな歓声があがった。「我慢していたので、そのご褒美がきたのかなと思います」と、普段は鉄壁のポーカーフェイスから、少し笑顔もこぼれた。
この日は9番ホールで自身初のピンマイクを装着。
「僕が一方的に発信するだけで、皆さんに聞いてもらえているのかがわからなくて、不安もありながらというか(笑)」と、戸惑いを感じつつ、しかしそこは選手会理事。
「僕はあまりプレー中は話さないほうなのですが、黙っていても面白くないので。せっかくならたわいのない会話や、より臨場感を味わってもらえたらなと、いつもより話してプレーしました」と、ギャラリー想いのプレーをみせ、「キャディさんとの会話や、打つ直前の会話は面白いと思うので、今後も取り入れたいです」。
大会の盛り上げにも一役買った。
初日も1日10アンダーとビッグスコアを出したが、午後組の宋永漢(ソン・ヨンハン)に1差で抜かれて2位だった。
この日は、堂々14アンダーの首位獲りに成功。
賞金1位の圧巻のプレーには、同組の蟬川泰果(せみかわ・たいが)も「2回池に入れてあれですよ?」と呆れていたが、当人は「1打最後リードして迎えますけど、1打はないに等しいので。気持ち切り替えて、明日迎えたいです」と、相変わらず冷静沈着だった。