感動も、きのうのように蘇ってくる。
歴代覇者のパネルが並ぶクラブハウスのギャラリーの一番目立つところに飾られたサンドウッジは、コースさんからオファーを受けて、鍋谷が快く寄贈したものだ。
「そう、これこれ!」。
ヨンハンと米澤と、並んで入った昨年の最後18番で、奥のバンカーから見事に寄せたVクラブだ。
「めちゃくちゃ使い込んでるでしょ? 今年もまた使わしてもらおうかな?」と、壁から引きはがすふりをして大笑いした。
昨年大会で、劇的Vと共に絶賛アピールしたのも、地元関西仕込みの弾丸トーク。
「ゴルフは静かなスポーツなんでね。プレー中は持ち味が生かせないけど」。
火曜日の前夜祭ではいかんなく発揮。
カシオ所属の石川遼と臨んだ余興のトークショーで、愛を告白した。
「遼さんが大好きなんです」と談話中に打ち明けたところ、終わって降壇の際に「手ぇつなごうか」と、差し伸べてきたのは石川のほうだった。
「脈ありやないかい!」と、心の中で喝さい。
「遼さんの手の感触、いまだに残っています。パワー感じてます。吸い取ってます」。
温もりを大事に、いざ本戦へ。
予選ラウンドでは、石川と同組になった。
「嬉しいですね」と、噛み締める。
昨年の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の初日にも同組になったが、同試合は2日目からすぐ成績順に組まれるので1日で離れてしまった。
「でも今回は2日間も回れる。2日目終わったらハグしたい」と、さらなる“進展”を熱望。
「できるかわからんけどw」。
2人の行方にも注目だ。