急上昇の契機は、「けっこう、全部うまくいって、どれもショットでチャンスを作れた」という出だしの5連続バーディだった。
1.5メートルにつけたスタートの1番を皮切りに、「行きたいところまで行きたい」と、5番までいずれも3メートル前後のチャンスを逃さず、逆に1.5メートルを外した9番では「流れが悪くなりそう」とよぎっても、6アンダーで入った後半も勢いはとどまらず、14番に続いて最後18番も連続バーディ締め。
池がらみのパー5で、追い風に変わった2打目の好機も見逃さず、攻めてグリーン左のカラーまで運ぶと、池に向かって打つ第3打のアプローチも絶妙な寄せ。
2差の通算16アンダーで、同学年の鈴木晃祐(すずき・こうすけ)と並ぶトップで最終日を迎える。
前日6日に、ABEMAツアー「PGM Challenge」で、大学後輩の下家秀琉(しもけ・すぐる)が、最多アンダー記録タイの1日11アンダーで飾ったプロ初Vにも刺激を受けた。
「すごいスコアで優勝していて。僕も負けないように」と、有言実行の1日10アンダー。
2022年の今平周吾(いまひら・しゅうご、アジアパシフィックダイヤモンドカップ⇒ゴルフパートナー PRO-AM)に次ぐ史上27人目の2週連続Vチャンスを作ったが、「こういう良いスコアを出した次の日のゴルフってすごく難しい。今シーズン何回もプレーして実感しています」と、クールに現実を見る。
「明日はそう上手くはいかない」と、自分をいさめ、「やることは変わらない。しっかり目の前の一打に集中して、というのを目標に頑張りたいと思います」。
後輩にも負けない偉業を静かに見据えている。