宍戸の鬼門と言われる後半の上がりホールでこそ、スコアを伸ばした。
「正直、ボギーでもしょうがない」と覚悟していた最難関の17番パー4では、200ヤード超の2打目を4番ユーティリティで80センチにくっつける3連続バーディ。
2日連続の67で、通算8アンダーまで伸ばした。
「ドライバーは依然として怪しいので」と不振を訴えながら、「今日は昨日の曲がった箇所で同じミスをしないよう位置取りを変えただけ」と、たったそれだけで、前日のフェアウェイキープ51位から、この日は同2位浮上。
やはり8季連続曲げない男の実力はダテじゃない。
苦しいときに浮かべるのは、今年2月に生まれたばかりの愛娘のこと。
「ラウンドしているときに、これ入れないと、という大事な場面でよぎります。よぎったら、入ります」。
日々のスタート時間に合わせて妻の美穂さんから届く娘の写真や動画の効果は絶大だ。
「昨日がちょうど生誕100日でした」と記念日に報いる単独首位浮上した。
昨年大会は、優勝の金谷に3差をつけられ2位に終わった。
2018年の「日本オープン」で初優勝し、2020年の「日本オープン」で2勝目を飾ったが、2022年の中日クラウンズで3勝するまで「日本オープンしか勝てない男」と、からかわれた時期もある(現在は通算5勝)。
本大会で3勝目(2個目)の日本タイトルなら、ツアー史上22人目の達成者だそうだ。
「2個目…そりゃ欲しいに決まってます」と、新たな称号追加への欲は隠さなかった。