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ヨネックスオープン広島 1999

ジャンボ尾崎が今大会2年連続9度目の優勝、通算110勝目を挙げた。

尾崎:久しぶりのいい感触だったね。強いジャンボ尾崎が帰ってきたよ。
 しかし、桧垣や手嶋たちも、いいバーディ取ってたし、2人がねばり強くてちょっと無理かなっていう気持ちをもあった。6打差はちょっときついかなと思っていたんだ。ハーフで3つずつくらい縮めないと、という計算をしていたんだけれど、9番のイーグルで、計算が変わったね。

★ジャンボ尾崎の9番ミドルでのチップインイーグル:フェアウエーから残り159ヤード。8番アイアンで放ったボールはグリーンで軽く2バウンドしてピンにあたり、そのままスルっとカップに吸いこまれた。

尾崎:ショットに自信があるから、こういうショットもできる。2人も一生懸命しのいでいたけれどね。彼らも、普通じゃ取れないところをきっちり取っていたよ。9番では、手嶋もナイスパーだっただろ?
 オレがイーグル取って、3打差がひっくり返ったらおいしいなって思ったんだけどね。まあ、『後半のナインホールで追いつけばいいっていう、心の余裕がオレにはあったんだね。すべての面で安定してるから、 2人につけいるスキを与えなかった。

★ ジャンボと5打差で迎えた9番ホール。手嶋はティショットを左にまげてラフに打ちこんだ。残り207ヤードの第2打は、届かずグリーン手前ラフ。そこから寄せきれずにピンまで約3メートルのパーパットを残すピンチ。が、ジャンボのイーグルで沸く観衆を尻目に、手嶋は冷静にこれを沈めて、かろうじてリードを守ったのだった。

尾崎;このホールとの相性がいいっていうのは、ショットの調子がいい場合だけれど、“このホールではああして、こうして”っていうイメージができあがっているからだと思う。ショットの内容が上がってきているから、見ていても面白いゴルフだったんじゃないだろうか。これがプロのゲームだぞっていう、ね。
 イーグル取れて、前向きな気持ちが出てきたっていうのもあるし、なにより、ギャラリーに、“魅せる”ゴルフができたっていうのが一番うれしいね。

★ 桧垣とのプレーオフは、18番ホールのひとホール目で、約ワンピン距離のバーディパットを沈めて、決着をつけた。

尾崎:「最後のパットは、まっすぐ気味のフックライン。きっちりラインを出さないと、入らないパットだったけど、特に気合も入れずにすっと入れた。ますます集中力が増した状態っていうか、ショットに余裕があるから、自然体で打てたんだ」

★ 初日、「6月の全米オープンで、知らず知らず、退化していたもの、衰えていた部分がいつのまにか出てきていたことに気付いた」とジャンボは語っていた。今は、「そういう部分を、冷静に捉えて補っていくことが一番必要な時期だ」と。

尾崎:「全米オープンから帰ってきて、スイング中の腰の動きで抜けていく動きができなくなっていたんだと気付いたんだ。タイガーにしろ、スチュワートにしろ、デュバルにしろ、ダウンスイングで先に腰が抜けて行って、切れていく、という動きがオレにはない、と。ダウンスイングで、体が止まってしまって、手が先に行ってしまう。だから、ボールを包み込んで、ラインに乗せて押し出していくというスイングができなかった。
 インパクトの後、ヘッドを低く、長く打ち出していかなくちゃいけないのにそれが出来なかった。それがわかって、ボディをバシっと使って、腕を運動させていくようなトレーニングをしてきたんだ。
 今年は、開幕戦からドライバーのつかまりが悪くて、手でつかまえに行こうとしていた。それがすべてのスイングに影響していたように思う。それで、アメリカで、なんかクラブが重いなって感じることがあったのよ。自分の衰えみたいなものを、意識せずに昔のクラブのまま使ってうまくいかなかったんだ。でも、今はいまは総重量が352グラム。前より10グラムほど軽くなったし、シャフトは4分の1短く(44,5インチ)、ヘッドもロフトを8度にして、球が捕まりやすい構造にしたりと、施行錯誤を繰り返してきたんだ。クラブそのものの悩みがなくなるまでに半年かかったけど、この優勝が、その集大成だね。
 昔は、ジャンボ尾崎のドライバーは、普通の人には使えないようなものだったけど、今はノーマルになったって感じ(笑)。

★桧垣、手嶋の若い力を押しのけて、
 今大会2年連続9度目の優勝、通算110勝目。

尾崎;「なんか、若いもの、弱いものいじめみたいだけど、でも、やっぱりこれからも若いものをいじめていけるようなゴルフをしたいなって思うね。おれの能力には計り知れないものがあるしね。
 ツアーが新しくなって、ますます、人に感動を与えるゴルフができるかどうかが、大切になってくる。
 オレはこれからも、夢を追い続けていく」

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