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ダンロップフェニックス 1999

左足小指の負傷をおしてプレーを続ける丸山茂樹。この日は通算3オーバーの34位タイ

 18番、525ヤードのパー5で、左バンカーからピンまで2メートルに寄せて気持ち良くバーディフィニッシュ。ギャラリーの声援に笑顔でこたえ、ホールアウト後は同組のジャンボ尾崎の肩に無邪気にまといついた。
 アテスト終了後のチャリティフォトにもファンと笑顔で収まった丸山だったが、この日の“仕事”を終えると一転、表情は厳しくなり、送迎のカートに乗るなり苦痛を浮かべながら左足の靴を脱ぎ捨てた。

 大会開催前のアクシデント。コース入りする予定だった火曜日に、自宅で遠征用のスーツケースの車の部分に、左足小指を思いきりぶつけた。あまりの痛さに、その場に倒れこんでしまったほど。爪の半分がはがれ、出血する怪我を負った。

 懸命の手当てでなんとか出場できるまでには回復させた。

 「もう大丈夫だよ」と丸山は言うが、いつもの皮製のスパイクシューズでは患部に当たって痛みが走るため、この日は急きょ「生まれて初めて履いた」というスニーカータイプのスパイクでプレー。「中で足が動いて、クニュクニュしてるよ」。

 感触が変わって調子が出なかったのか、4バーディ、5ボギー、1ダブルボギーと乱れ、通算3オーバー、34位タイまで後退してしまった。

「10番のダブルボギーでがっかりしてしまって、その後は雑なプレーをしてしまったかな。今年は最悪の年だよ!」と履き捨てた丸山。10月のブリヂストンオープンの優勝も「バカあたりしただけ」と、ちょっぴりヤケ気味だ。

 「調子があがってきたと思ったら今回もケガするし、きょうはショットの感じが出てきたとおもったら、パットがまったく入らない。運がない。叫び出したい気分だ!」

 痛みをこらえながら戦う丸山に、エールを送りたい。 

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