Tournament article
ダンロップフェニックス 1999
インターナショナルツアー第2戦『ダンロップフェニックス』
第2戦のダンロップフェニックストーナメント、その顔ぶれを紹介しよう。
ホワイトシャーク『グレッグ・ノーマン』
昨年4月の右肩手術という選手生命の危機を乗り越え、今年のマスターズでオラサバルと優勝争いを演じて3位に入り復活をアピールした。
86年はジャック・ニクラウスに、翌97年はラリー・マイズに敗れ、96年には6打差をニック・ファルドに逆転された。ギャラリーは、またもマスターズの『悲劇のヒーロー』と目を覆ったが、本人は、「肩の手術で生まれ変わった。精神的にも、技術的にも成熟したんだ」と、充実の4日間であったことを強調した。
ダンロップフェニックスは、1983年以来、2回目の出場。
昨年度チャンピオン、『リー・ウェストウッド』
昨年のこの大会。前週の住友VISA太平洋マスターズで勝ち、波に乗ったままあっさりと2週連続Vをさらっていった。
2大会で獲得した賞金7200万円は、そっくりそのまま(?)その翌年のアンドリュー・コルタート(今年の今大会に出場)の妹、ローリーさんとの結婚資金として持ちかえった。
今年も、“要注意選手”として注目が集まる。
今年、センセーショナルにプロデビュー。神の子エル・ニーニョ、『セルヒオ・ガルシア』は若干19歳
今年8月の全米プロゴルフ選手権では、勝者のタイガー・ウッズよりも観衆を魅了した。メダイナの最終18番ホールでは、「セルジオ」の大合唱がこだました。
見るものを惹きつけてやまない攻撃プレー、派手なパフォーマンス。どんな場面でもゴルフを楽しむ、スペイン生まれの陽気な19歳、ガルシアは、今年4月のマスターズでローアマチュア(ベストアマチュア)に輝くとすぐにプロデビューした。
その後、わずか5ヶ月のあいだに、欧州ツアー初優勝。全米プロゴルフ選手権ではタイガー・ウッズと、最後まで接戦を演じて1打差2位に入るなど、すでに神話を作りつつある。
先週の住友VISA太平洋マスターズではいまひとつ精彩を欠いたが、このままおめおめとは帰れない。宮崎の地で話題をまくつもりだ。
世界中が、その『悲劇』に目を覆った。今年の全英オープン、カーヌスティ18番ホールのトリプルボギーはまだ記憶に新しい『ジャン・バンデベルデ』
今年の全英オープンが終わったとき、皆は口々にベルデを『悲劇のヒーロー』と呼んだ。最終日、2位に3打差をつけて迎えた18番ホールで、ベルデは、ラフ、クリーク、バンカーと渡り歩き、球をカップインさせるまで実に8打を要した。
それまで誰もが信じて疑わなかった全英史上2人目のフランス人チャンピオン。たったひとホールで、ベルデはその栄冠を手放した。
今年のマスターズで2度目の栄冠。逆境を乗り越えた完全復活Vは、世界の感動を呼んだ『ホセ・マリア・オラサバル』
右足つま先に原因不明の激痛を感じたのは95年のことだった。懸命の治療にも痛みはひかない。さらに悪化し、寝たきりの生活を強いられた時期もあった。現役引退の危機にまで追い込まれ、家族と今後の生活について話し合う日もしばしばだったという。
思いきってドイツに渡り、専門医からの治療を受けてようやくゴルフができるようになったのが97年の夏だった。それまで1年半ものあいだ、クラブを握らない生活に耐えた。
メジャー制覇で完全復活を世界にアピールしたオラサバル。先週のVISA太平洋マスターズでは調子が上がらず予選落ちしただけに、今大会にかける思いは熱い。