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ゴルフ日本シリーズJTカップ 1999

「最終日の朝、2人で『きょうはとにかく10アンダーまで行こう』って話しをした」細川のキャディの小岸秀行さん

優勝カップを掲げる細川を、キャディの小岸さん(写真左)はまぶしそうに見上げて言った。
「18番のグリーンで細川さんが『ありがとう』と言ってくれた。涙が出るくらい嬉しかった」

 キャデイ歴1年半の小岸さんが細川のバッグを担いだのは、10月のブリヂストンオープンから。それまでは原田三夫や、井戸木鴻樹などのキャディを務めていたが、 “優勝”は初めて。

 「ボクにとっての初V。自分のボスが勝つことが、こんなに嬉しいものとは思わなかった」

 逆境を2人で乗り越えた充実感で、小岸さんの頬も上気していた。11月のダンロップフェニックスから細川が訴えはじめた右あばら付近の痛みは、今週、ピークを迎えていた。「無理な姿勢でショットをしたときにかなり痛がっていた。あの痛みの中で、よくプレーされたと思います」。

  最終日の朝は、2人で「きょうはとにかく10アンダーまで行きましょう」と決めた。

その約束どおりの逆転V。「細川さんは優勝なんか意識してなかったと思いますが、ボクの目から見てもきょうの細川さんのプレーは完璧でした。そばで見ていて、ゾクっとしました」大仕事を終えた小岸さんの目は、心なしか潤んでいるように見えた。

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