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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2000

「僕ができることなんて微々たるものだけど…」

片山晋呉の心意気

 大会初日のことだ。
 プレー終了後、片山がグリーンで練習していると、1組のカップルが近づいてきて、女性のほうが、「ボールを下さい」と言ってきた。
 「それじゃあ、彼女だけじゃなく、彼にも」と、それぞれに1個ずつボールを手渡すと、「2人ともすごく喜んでくれて、また土曜日も来ます、って言ってくれたんです。
 小さなことだけど、僕がしたことで、ギャラリーが2人増えたんですよ!!」と声を弾ませた片山。

 ラスト18番ホールでは、まず1球、ウィニングボールを満員の観衆に投げ入れたあと、この日使ったボールも3個、4個と投げ込んで、最後まで大声援を送ってくれたファンに感謝の気持ちを表わした(=写真)。

 「ゴルフって、他のスポーツと違ってフェンスがない。プレーヤーとギャラリーの間にあるのは、たったロープ1本なんです。他のスポーツよりも、その場の空気が感じられるって、いいですよね。
 僕ができることなんて、微々たることだけど、それでみんなが会場に来てくれるなら、僕は何でもしたい。ゴルフ以外の僕も見に来て欲しいから」

 そんな片山が目指すのは、「ゴルフ界の“爆笑エンターテナー”」

 ゴルフを知る人も知らない人も、「僕を見に、コースに行ってみよう、て思ってくれたら嬉しいな」と話すと片山は、トレードマークになりつつあるテンガロンハットをグイっ、と持ち上げた。

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