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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2000

今季4勝目の「自信とプライド」

勝利を確信した片山晋呉の17番ホール

 それは、今季4勝目の「自信とプライド」と、片山は言った。
 17番、535ヤードのパー4。

 14番で計算外の「よけいな」ボギーを打って、宮瀬との差は2つ。「宮瀬さんが17番でバーディ、そして僕が18番でボギー以上にしたら、2打差を詰められる可能性もある」と、警戒したホールだ。

 ここで片山は、第2打をグリーン手前のバンカーに入れるピンチ。
 だが、激しいプレッシャーの中、このアプローチをピン奥70センチにピタリと寄せて、楽々バーディを奪い、「あの状況で、あのピンの位置で、あそこに寄せられたのは、これまで、何度も勝ってきたからこそ――あれは、そういう1打じゃないかな」と片山は、誇らしげに胸を張った。
 対する宮瀬はセカンドショットをミス。ボギーに終わり、差は4つに広がった。
 「これでようやく勝てる―」片山は勝利を確信した。

 ラスト18番は、1年間、夢見続けたシーンだった。
 昨年大会。最終日に9バーディを奪い、一時は首位の細川に並びながら、あがりホールで2つのボギーで後退。
 「完全に勝てる、と確信した展開で負けた。それだけに去年は本当に、悔しかったんです」
 この日以来、1年後のリベンジをにらみ、努力を続けてきた。それが見事に実った。
 「18番で、これを持つことだけを、イメージしてきたんです」と言うと、片山は、胸に大事に抱えた大会のチャンピオンフラッグを、しげしげとながめていた。

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