Tournament article
ファンケルオープンin沖縄 2000
「この1打、君に贈るよ」
4月のキリンオープンから今季5勝。すべてのバッグをかついで片山を支えてきたのが、専属キャディの大溝雅教さんだ。
この日、逆転賞金王のかかった最終日も、プレッシャーに泣く片山を懸命になだめ、勝利へと導いた。
「昨日の夜も、僕にゴルフのことを忘れさせてリラックスさせようと、いろいろ気をつかって盛り上げてくれました。今日の優勝は彼のおかげですね」
偶然にもこの日は、そんな大溝さんの35回目の誕生日。ファインショットをするたびに「この1打、君に贈るよ」と冗談を交えながらの18ホールだった。
「キャディだけじゃない。トレーナーの方、スタッフの方々…今回の“奇跡”は、僕ひとりでは起こせなかったと思う。ここまでやってこれたのは、本当にみんなのおかげなんです…」
ウィニングパットを決めて、大溝さんと抱き合う片山の目に涙が光った。
支えてくれた仲間たちと共に勝ち取った日本一。
「何も変わったことはしていないんです。これは、これまで積み重ねてきた結果。階段を踏み外さず、確実に階段を登ってきたんです。
これから大変なこと心配なこと、いっぱいあると思うけど、一生懸命頑張ってこのまま登りつめていきたいと思っています」