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マンシングウェアオープンKSBカップ 2000

「僕らの仕事は、喜びと感動を常に感じ続けることが大事なんです」片山晋呉

「今日はフェアウェーをはずしたのは1番ホールくらい。ティショットはよかったし、パッティングも昨日から、ラインが読めたときのは全部入りましたしね。
ただ、セカンドショットがよくない。先週の日本プロはフェアウェーがすごく狭かったので、今週も『なんとかフェアウェーにいかせよう』とする気持ちが抜けきれず、スイングが悪くなってしまったみたいなんです。
先週のフェアウェーは、ねじれた感じで設定されていたから、まっすぐ打っても、フェアウェーにいかなかったんですね。いろんなボールを打って、キープしないといけなかったんですけど、そういう感覚が体に入りすぎて、抜けきれてない。

昨日の晩、(自主キャンプに参加させてもらったりと)親交のある(巨人軍の)工藤(公康)投手の特集番組を見ていて、ヒントを得たんです。工藤さんはいま、投球が高めに浮いちゃうっていう悩みがあるらしくて、それはなぜかを解明し、克服していこうっていう番組内容だったんだけど、その悩みっていうのは、ゴルフでいえば球が左右に散る悩みと一緒なんじゃないかなって、そのとき思ったんです。口ではうまく説明できないんですけど…。簡単にいうとインパクトで球に当てにいくから、結局、クラブの一点にしか当たらなくて球の方向が定まらない。
それを解消するためには、リリースポイントを長くしていけば、球の散らばりも解消されるのではないかな、と。今日は朝からその点を気をつけて振るようにしていきました。それでちょっと、ショットの悩みは解消されたような気はします。ピッチングとゴルフは、似た部分があると思う。

工藤さんはすごく勉強家で、人間の体の解剖学とかも詳しいんです。だからたとえば、足の筋肉の各部分の名前なんかはすべて覚えていて、「晋呉、もしも足が痛くなったとして、医者に痛い箇所を伝えるときは、『○○筋の、どこそこの箇所が痛い』ってきちんと言えないとダメだよ」って指摘されたこともあります。37歳で第一線で活躍している人って、何かある、とは思っていましたけれど、やっぱり何かありましたね。工藤さんから、得るものは、ものすごく多い。

先週から、全英オープンの日本予選がはじまっていますが、当然、意識しています。 2000年のセントアンドリュース…考えただけでも重みがありますよね。ぜひ、行きたい。
昨年、はじめて全英に挑戦したとき、すごく感動したんです。それは、優勝したときに感じる感動とは、また全然ちがっていて、ティグラウンドに立っただけで嬉しかった。ただコースを歩く、それだけで感動したんです。そんな経験ははじめてでした。ギャラリーの雰囲気、コース設定の雰囲気、歴史の重みなどがそうさせるんだなって実感しました。
ああいう感動は、スポーツ選手として常に味わっていたいと思う。だって、僕らの仕事ってそういうもんじゃないですか。
優勝したときの喜びとか感動を味わいたいから、一生懸命練習する。ケガをしてつらい時間が長いほど、喜びも大きくなる…。実はもう、全英のためのホテルは予約してあるんです(笑)。
もっとも、まだ2日目。3日目にまだこの位置にいたら、最終日、どう戦うか考えようって感じかな。

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