Tournament article
JGTO TPC イーヤマカップ 2000
深いラフでもなんのその
多くの悲鳴を上げる選手が多い中、小山内護がパワーで押しきった。
この日、ティショットでドライバーを握ったのは、5番、8番、10番の3ホールだけ。ラフ対策に、ほとんどのコースでスプーンを選んだにもかかわらずショットが安定せず、フェアウェーを捕らえられたのは半数にも満たなかった。
しかし、小山内にひるむ素振りはない。
「ラフに入っても、僕の場合はどのホールも残り150ヤード以下しか残らない。ショートアイアンでうんとフェースを開いてドスンって振りきると、グリーン上で止まる球が打てる。だからラフに入れても、僕は刻むとか、ただ出すだけというふうにする必要はない。ピンまで5メートル以上、残ったところはなかったしね。パーオンできなかったのは、15番で奥のバンカー入れたくらいかなあ…」
ジャンボ軍団で鍛えたあげた体。昨年夏からはさらなるパワーアップのためにと、毎日の腹筋・背筋運動など日々のトレーニングを続けている。「それは、たとえドロドロに酔っ払っている日でも欠かしたことがないんだよ」と反らした胸筋は、隆々と盛りあがっている。ドライビングディスタンスでは、常に上位に名を連ねるパワーヒッター。
「入っても、それほど気にせず打ち出せるよね」と深く設定されたラフももろともせず、10番から奪った3連続バーディや、16番の第2打をスプーンでOK距離につけてのイーグルを含む、8アンダー単独2位の好発進。99年の日本マッチプレーに続くツアー3勝目を、記念大会で飾りたい。