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つるやオープン 2000

「最終日には、初日の僕がいるのか、2日目の僕がいるのか、乞うご期待」渡辺司

「昨日は76を叩いて、今日も4番ホールあたりまでショットのリズムも悪いし、それでちょっとふてくされた状態でゴルフをやってたんです。こんなところから、まさか予選通過もできるわけもないって思ってましたしね。
 でも、来週以降のためには、少しでも良い感じをつかんで帰らなくちゃいけないと思って、5番ホールでバンカー超えのショットで、ピンに向かって1に2の3という感じで打ったら、非常にいい当たりをしまして、それ以降はほとんどのショットがまっすぐピンに向かって打てるようになったもんで、やってて楽しくなりましてね。 17番では、3打目を打とうと歩いているときにお客さんの中から、「ここのコースレコードは64だ」って声が聞こえてきて、「もうひとつ取ればコースレコード更新なのか!」ってすっごくファイト沸いてきちゃいまして。17、18番はそれまでとは違う意識でゴルフをしましたね。18番で最後の5メートルのバーディパットを沈めたときは嬉しかったですね〜。『入れるぞ』って気合入れて打ったのが入るというのは、なんとなく入っちゃった、というのと、充実感が違います。必死で打った結果が出るというのは、ほんっとに嬉しいものです。
 昨日は、あまりにショットの感じが悪かったもんで、ホールアウト後、4時間くらいやみくもに球を打ったんです。それが良かったんでしょうね。ショットは、複雑に考えることは何もなくて、結局タイミングだけなんです。自分のリズムで振れていないだけ。ただ、体の中のメトロノームというのは、意識しないで自然に生まれてくるようになるまでは、やっぱり、ただひたすら球数を打つしかないんですよね。
 そして、パット。そんな、カップまで数センチのパターなんて、1ラウンドで1回あるかないかくらいなんですから。今回でも僕は、そんなビタっとついたのは9番の5 センチだけですし、要は、3〜5メートルのチャンスパットが入ってくれること。これが、どんどんプレーのリズムを良くしてくれるというわけです。
 今日は、僕はスコアというより、自分のゴルフを取り戻すために一生懸命やっただけ。その結果、予選も通れてしかも5アンダーと、上位に名前を連ねるところまでこれたという感じなんですよ。
 この大会の前にちょうど3週間あいて、精神的には僕にとって今週が開幕戦みたいなもの。そういう試合で、こんなスコアを出せたことは、非常に励みになります。もう40歳を迎えようとして、ツアーで18年近くもやってきて、こんな記録をたまに出せると、昔のころの新鮮な気持ちが戻ってくるような気がしますね。
今後、たとえ初日に大叩きしても、今回のことを思い出せばまた励みになると思うし、そういう材料を見つけられたことが嬉しい。昨日76を叩いて、予選落ちだって嘆いてた人間が、次の日にはこんなことをする…フシギだね〜。最終日を迎えたときに、初日の僕がコースにいるのかそれとも2日目の僕がいるのか、『乞うご期待』って感じだよ。
  • 渡辺は、コースレコード賞として、スポーツ振興株式会社から20万円を贈呈され、大喜び。「稼ぎの少ない選手としてはあり難い限りです」。

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