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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

今年から伸ばしている不精ヒゲ

今年から伸ばしている不精ヒゲ。「これは僕の個性」と片山晋呉は言った。
巨人軍の工藤公康投手など、他種目のスポーツ選手とも交流の多い片山は、ある選手から「スポーツ選手は個性を持つべき。晋呉も何か見つけなさい」とアドバイスを受けた。
「丸山(茂樹)先輩は、明るいキャラクター。(同期の横尾)要は、かっこよくてモテる。でも、僕には何もない」。
考えたあげく片山は、ゴルフ界にはめったにない「ワイルドなイメージでいこう」と決めたという。
以前は、日替わりでいろんな色に髪を染め、話題を呼んだこともあったが「あれはあまり評判がよくなかったし、めんどくさかった」と断念。しかし、ヒゲはほったらかしでも済むし、何より「周囲の評判がけっこうよかったから」と、そのまま伸ばし続けている。
そんなふうに片山は、常に人と違うことをして、アっと言わせるのが得意だ。今週のパッティングスタイルもそう。左手を、右手の上から添えるようにかぶせてグリップする、通称“ビリヤード打ち”。普通の人間がすれば、到底入りそうもないこの変則スタイルで、悪天候の4日間を通した。「これも僕の個性」。
しかし、奇抜なだけではない。ちゃんとした裏づけもある。「シード入りしたての頃は、平均パット率は100位以下だったけど、このパッティングをあみ出してからは、常に上位になったよ。このスタイルは、ぜひみなさんにもお勧めしたい。悩んだら、やってみて。きっと、よく入るようになるから」と片山。
ヒゲも、個性的なパッティングスタイルも結局は、「みんなに名前を覚えてほしい」という気持ちのあらわれだ。だが、それ以上のインパクトを与える今回の優勝は、さらに片山の知名度をあげたに違いない。
ちなみに、「僕のはきれいな形で生えてくる」という自慢のヒゲも、みち代夫人には不評。「それだけはやめて、早く剃ってちょうだい」と日々、小言を言われるのだそうだ。

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