Tournament article
NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2001
「このままガンガン攻めていく」と3位タイの上田諭尉(ゆい)
以前の上田なら、ここでキレて、ずるずるとスコアを崩していたところだ。
だが、どうにか踏みとどまっただけでなく、その後もスコアを伸ばせたのは、2つ下の弟、崇宏さんのおかげだ。
上田と同じ専修大学を卒業後、父・英郎さんの家業を手伝うかたわら、崇宏さんはすでに今季5試合で、上田のキャディバッグを担いでくれている。
そのとき崇宏さんは、プレー中にキレてますますミスを重ねる上田に、厳しくこう言い放ったのだ。
「ばかやろう!! キレてるヒマがあったら、次のショットのことを考えろ!!」
ゴルフの腕前なら、まだまだ、弟に負けるつもりはないが、学生時代から、ツアーでプロのバッグを担いだりと経験豊富な弟の精神論には、上田も一目置いていた。
そんな弟からの叱責が、上田の目を覚ました。
「怒ってスコアが伸びるならいいけど、怒って余計に叩くなら、すっぱり気持ちを切り替えたほうが得だ、そう思えるようになったんですね」
今週、弟の“アシスト”はないが、その思いは、きちんと上田の脳裏に焼きついたままだ。
5アンダー、3位タイの好スタート。
「ガンガン攻めていくタイプ」という上田が、「3日目終了時点で、通算13アンダー、最終日最終組」という青写真を描いている。