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カシオワールドオープン 2001
「今は自分の中にあるもので、勝負ができる」
片山晋呉が、急浮上してきた。
全米プロ挑戦前の8月、サンクロレラクラシック3日目の9番ホールで「これまで、自分の中で破れなかったものが破れた、と確信できる」ひらめきがあった。
それ以来、「常に高いレベルで、技術、精神力が保てている」という。
この日の好スコアも、そんな自分を、コースでそのままさらけ出しただけ、と片山は平然と言いきる。
「あのとき何が破れたのか・・・というのは、言葉ではちょっと表現しきれないけれど、以来、精神、技術、考え方、この3つが常に噛み合って、ゴルフができているという感じ。去年の僕は、周囲の人に支えられながら、勢いでやっていた部分もあったけど、いまは、自分の中にあるもので勝負できる・・・その違いです」
もちろん、高いレベルを保ち続けられるのも、想像以上の努力のたまもの。また、ライバルの存在も、片山もおおいに刺激する。
今年、初の賞金王の座につくであろう、伊沢の存在。
「ああいうゴルフをしてくれる人がいると、間近な目標ができ、力を維持していく上でも、大きな力になるんです」
2アンダー、20位タイからのスタートのこの日は、好調のショットが次々とピンに絡む。チャンスをものにする。
予選ラウンドは、ガルシア、ジャンボとのプレー。以前の片山なら、萎縮して、力を出し切れないこともあったが、「いまは、ジャンボさんの目の前でも、自分をさらけ出せる」と、積み上げた8つのバーディ、ノーボギーに、さらに自信が深まっていく。
賞金王に輝いた昨年から、さらにひとまわりもふたまわりも、成長を遂げた片山だが、
「翌年に、全然だめになる人もいるけど、僕はそうはなりたくない。来週は相性の良いコース(日本シリーズ)。今週も勝って、2週連続もやれるのかな、という気持ちでやっています」いぶすきで、ひとまず今季4勝目を挙げ、まだまだ、進化の途中であることを証明してみせるつもりだ。