Tournament article
久光製薬KBCオーガスタ 2002
「もっと、ゴルフが、うまくなりたい」
昨年の湯原は、部門別ランキングのパーオン率ナンバー1に輝きながらも、賞金ランクによるシード落ち。
4年前、手術をするほど深刻な椎間板ヘルニアを患って、その復帰後も、懸命の治療を続けながら闘いを続けてきたが「それも、だんだん、ごまかしが、通用しなくなっていた」。
グリーンをとらえるショットはできても、ピンを狙っていくショットが打てない。それが、昨年の結果に、顕著に表れていた。
ショットメーカーの代表選手として、知られる湯原。だが、
「みなさんは、僕はショットが良い、というイメージをお持ちでしょうが、自分としては、ここ何年間か、納得のいくショットができずに、悩んできたんです」と、打ち明けた。
その打開策として、数年前から組む米国コーチ、ジョー・ティールさんとの試行錯誤の中で思い至ったのは、いたってシンプルな答えだった。
「かつてのスイングを取り戻すこと…」
幸い、身体のほうは100%、とは言えないまでも、順調に、回復に向かっている。
今の状態なら、自分のむかしのレッスンビデオの中のスイングのように振れる。まっすぐに飛ばせる。
「ショットで稼いできたあのころに、また徐々に、戻していけばいいじゃないか。この1年で、じっくり、昔のスイングを取り戻していこう…」
そんな思いで迎えた、今シーズンだった。
現在は、ジョーさんの日本での代理人をつとめる新コーチと組んで、以前より、さらに内容の濃いレッスンに取り組んでいるところだ。
今週、勝てば、実に10年ぶりの栄冠だが、「そんなの、まったく意識しない。それより、早く自分の中のモチベーションを上げて、もっと、ゴルフがうまくなりたいだけ」
45歳は、まだまだ、どん欲だ。