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久光製薬KBCオーガスタ 2002

湯原信光、優勝の瞬間

その瞬間、電気に打たれたかのように、湯原は、握り締めていたパターから、両手を放した。
 1メートルのパーパットを沈めて、ようやく、“10年分のプレッシャー”から解放された。
 一瞬、痛みをこらえるような表情を浮かべてから、すぐ我に返り、照れたように両腕で頭を抱え、満員のギャラリーに微笑みかけた。
 「長い間、勝てず、みなさんには、ほんとうに、ご心配をおかけしました!! 今日も、最後まで、ヒヤヒヤさせちゃって…」
 勝負を決めた18番グリーンで、すまなそうに頭を下げた湯原を、観衆の大きな拍手が、暖かく包んだ。

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