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全日空オープン 2002

「もうあんな思いはしたくない」

シード権確保に燃える兼本貴司が2位タイ

この日、兼本の頭にあったのは、「パーオン率を上げたい。ただそれだけ」
それは、井上透コーチの、「とにかく、グリーンの真中でもいいから乗せていこう、と考えてください」とのアドバイスに基づいていた。
スコアを伸ばそうとか、バーディチャンスにつけたい、などの雑念は捨てて、ひたすらその1点に集中することで、いま抱えているスイングの課題に、没頭できるからだ。
兼本は、ドロー系がもち球。
だが、それも度が過ぎると球がつかまりすぎて、曲がり幅が多くなり、「最近は、特にその傾向が強く出て、ずっと林からのセカンドばかり打っていた」という。
だから今週は、「極力、球をつかまえないように」と、フェースをあまり返さない「逃がすような」打ち方を、心がけている。
「まずスイングの課題が先で、乗っけて2パットでいい、というゴルフだから、スコアが出るはずないのに」と、予定外の、通算8アンダー2位タイの成績には、自身もビックリ。
「余計なこと考えずに集中することが、結局は、結果につながるってことですかね」と兼本。
甲斐あって、この日は、一度も林に打ち込まなかった。日を追うごとにショットの精度があがっているのを、実感している。
99年の初シード入り以降、毎年、シーズン終盤までシード確定を引っ張り、ヒヤヒヤする経験が続いているだけに、「もうあんな思いはしたくない」
ここで一発、決めてしまいたいところだ。

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