Tournament article
ブリヂストンオープン 2002
「今年こそ頑張りたい。…去年は、迷惑をかけたから」
一粒で、2度おいしい。
片山が、そんな“武器”を手に入れた。
ソール部分に約5ミリ程度の溝をつけた、サンドウェッジ。
いま、米ツアーでも人気の形状だ。
今年6月の全米オープン会場で、見つけた。
練習場に、サンプルで並べてあったものを、何気なく手にとって打ってみると、深いセッティングのラフでも、「抜けが良くて」難なく脱出できた。
「しかも、バンカーショットはバンカーショットで、ソールが、すごく良い仕事をしてくれるんだ。一石二鳥…いや、それ以上の働きだね」
通常の、ソールにバンスのついているサンウェッジなら、爆発力のあるショットが打てるかわりに、ライの硬さによっては、ソールが弾かれたり、かえってバンスが、邪魔になる場合がある。
逆に、バンスがついていないサンドウェッジは、ラフからでも抜けが良くなるかわりに、爆発力のあるアプローチは打ちづらい、というマイナス点も。
だが片山が、「“晋呉ソール”」と読んでいる、このサンド。バンスがある利点と、ない利点をあわせもったウェッジなら、状況に応じたアプローチができる。
「すごい武器を手に入れたよ。こうして、日々、いろいろ考えることで、進歩していくんだよね!」
さまざまな方法を発見し、それを工夫して取り入れるのが得意、と自己分析する片山が、今週もまたアイディアを駆使して、注目を浴びている。
写真 = 昨年大会は、発熱のため欠場した。「去年は試合を盛り上げられなくて、迷惑をかけたから。かわりに、今年、頑張りたいんです」と片山。