Tournament article
ゴルフ日本シリーズJTカップ 2002
「17、18番のイーグルで勝ち!」
17番パー5で、ピン奥7メートルのイーグルチャンス。
それがわずかにカップをそれて、桑原が、空を仰いだ。
「惜しかった〜! …昨日もね、6番で(ピンから)真左3メートルのチャンスを、外しちゃったんですよねえ…。あ〜早く、取りたいなあ、16個目のイーグル!」
ホールアウト後、6打差5位のV争いについてはそっちのけで、惜しくも逃した2つのイーグルチャンスについて、熱心に話しつづけた。
今季、奪ったイーグル数は、15個でダントツトップ。
手嶋多一が持つ、16個の記録更新まであと2つで、シーズン中盤から桑原は、この一点に、気持ちを注いできたのだ。
遡ること5月の中日クラウンズ。2日目の17番で、ホールインワン達成をきっかけに、以後、パー5ホールに立つたび心は前向きに。
これまでは、なんとなく、「カップに寄せればいい」と思いながら打っていたショットが、いまや、
「ピンにめがけて打てば、また入るんじゃないか、と思えるようになった」と、桑原はいう。
「ティグラウンドでも、アプローチでも、どんなに長いパットでも、カップを狙っている自分がいるんですよね。あと、パー3では、必ず、ホールインワン賞を確認してから打ってみたり…ね(笑)」
新記録達成の猶予は、残り2日。
「やれそうな気がする」と、自信満々。
そのとき、ふいに報道陣に、「では優勝は?」と聞かれた桑原。
「…もちろん…。(笑)もちろん、優勝もしたいですよ!」と我に返り、
「夢は、最終日、17番(パー5)、18番(パー3)のイーグルで勝ち。…これですね(笑)」
一石二鳥の締めくくりを、頭に描いている。