Tournament article
ゴルフ日本シリーズJTカップ 2002
「勝って盛り上げる」
ショットの感触には、文句のつけようがなかった。
10月、2位タイに入ったブリヂストンオープンでも、翌週、8位タイに入ったフィリップモリスでも、翌々週の三井住友VISA太平洋でも、片山は、「完璧」と繰り返していた。
残る課題は、パッティングだけだった。
この日、2パットであがったホールは、9、13、16、15番の4ホールだけ。
「あとのホールは全部、1パットだよ!」
アウト10、イン12、計22パットと目を見張るパット数の秘密は、「6年ぶりのノーマルグリップと、夕方の練習方法」の成果だ。
これまで、ホールアウト後のパッティング練習は、スライスかフック、いずにせよ、曲がるラインばかりに、時間を割いていた。
それが、いつのまにか、アドレス時の視線のズレを生じていたのだ。
知人の指摘でそれに気がついた片山は、数週間前から、真っ直ぐのラインしか練習しないようになった。
「それも最近、かなり良い感じになっていて、いつか、入りだすだろう、と」
それがとうとう、照準をあわせていた今大会に、ハマった。
先週から、この最終戦で「勝って盛り上げる」と言い続けていた。
この日初日は、トレードマークのテンガロンハットに、雑貨店で仕入れた“Merry Christmas”のオーナメントをくっつけて戦い、人目をひいた。
飾りは、日ごとに付け替える予定だそうだ。
常に話題の中心にいようとするその姿勢が、今週末には、ピークに達するだろうか。