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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2002
< 上位選手のコメント&トピックス > ・ 「だからこそ、優勝争いはやりにくい」
肩を並べて上位を走る2人に、同じ組のジャンボがプレー中に苦笑いを浮かべてポツリ。
「おまえら今週、ずっと一緒かよ。なんだ〜? 2人して1メートルのパットも、OK出してたんじゃ、ないのかあ?」
ジャンボも思わず、嫌味のひとつも言いたくなるほど、快進撃を続ける久保谷と佐藤。
「プレースタイルが、似ているかもしれない」(久保谷)。
「僕は、誰か他の相手を、意識するというより、自分のゴルフにベストを尽くして、というタイプ。久保谷君もどちらかというと、そういう感じでしょう」(佐藤)
最終日も、最終組でともにラウンドする2人は、
「僕なんか調子悪くて、全然だめで…」と謙遜しながらも、ひょうひょうと、首位に立ってしまう。
感情を、めったに表に出さず、ミスしても熱くならない。
「ミスした後でも、久保谷君となら、普通に和やかな会話が出来ますから」(佐藤)
17番パー3は、佐藤が右のブッシュに打ち込みアンプレヤブル。打ち直しの第3打で、今度はシャンクしてダブルボギーにも、引きずる様子もなく、ホールアウト後は2人で和気藹々と、テレビインタビューに応じた。その穏やかな性格も2人、似ている。
だが、「だからこそ、優勝争いは、やりにくい」と久保谷はいう。
「欲がなくて、何を考えているのかわからない。僕には、常に闘志満々の人のほうが、たまにスキが見えて、やりやすいかも…」
ずっと一緒の2人にとって、最終日、カンフル剤的役割をしそうなのが、単独3位の谷口徹だ。
「他の相手は眼中にない」と言い切るファイター。
「明日は、自分の世界に入れさえすれば、絶対に負けない自信ある。自分のゴルフさえ一生懸命やれれば、必ず勝てる」
闘志も、自信も満々だ。
「でもね、谷口さんには、スキはないよ。あの人の闘志は、ひとつ上を行っちゃっているから」(久保谷)
「闘志をむき出すことで、自分のテンションを高めて勝つタイプですからね」(佐藤)
最終日は、この3人の心模様を、想像しながら観戦するのも、面白い。