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ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 2003

『伊沢君を、やっつけたい』深刻な腰痛からの復帰、鈴木亨が1打差2位タイ

5月。3日間、首位を走りつづけた日本プロで、片山晋呉に逆転負け。「勝てる」と確 信した展開での敗北にかなりのショックを受けた。その上、翌週の試合では、ヘルニ ア寸前の深刻な腰痛で途中棄権。そのあと、3試合を棒に振った。精神的ダメージに 加え、体の故障は思いのほかこたえた。
「神様は、試練を乗り越えられる人間に試練を与えるって聞いたけど、俺はあまりに たび重なる試練に、壊されちゃうかもしれないよ・・・」。
いつ腰の痛みが去るかという不安に気持ちが弱りきって、一時は、あれほど生きがいであったゴルフさえ「嫌いになりかけた」という。
「そんな状況からまた復活してきただけに、この3日間はほんとうに楽しくゴルフできています」と鈴木。
この日3日目は2番パー3でグリーン奥から残り9ヤードをサンドウェッジでチップインイーグル。12番では手前のバンカーから「クリーンに打つなかなか技ありのショッ ト」で2段グリーンの上2メートルにつけてバーディ。「今日はアプローチがうまかっ た! 我ながら、自画自賛の多いゴルフ(笑)」。通算12アンダー、2位タイに久し ぶりに笑顔が戻ってきた。首位とは1打差。その視界にはしっかりと、伊沢の背中も とらえた。先週、1年8ヶ月ぶりの優勝をあげて、いまもっとも勢いのある選手のひと りとの最終日最終組。
「伊沢とは、ここしばらく回ってなかったし、ぜひ一緒にプレーしたかった。当たって砕けろ、じゃないけど、彼になら思い切ってぶつかっていける気がする。やっつけてやりたい、という気持ちもある」1年ぶりのツアー7勝目にむけ、威勢の良い言葉も飛び出した。

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