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ダンロップフェニックストーナメント 2003

単独2位の丸山大輔

前日3日目はガルシア(=右端)との最終組に「自分と、彼との差を、感じないではいられなかった」という丸山(=左)
「極度の緊張の中、集中できたことが大きい」
単独2位の丸山大輔

首位と2打差で迎えた17番パー3。ティショットを木の根元に打ち込んで、フォロースルーさえ満足に取れない状況から打った、残り20ヤードのアプローチはラインに乗った。沸き起こった大歓声とともに、カップに吸い込まれた。チップインバーディで1 打差。にわかに、逆転優勝の期待が高まった。

最終18番では、奥3メートルのバーディチャンス。グリーンに上がるなり、満員のギャラリースタンドから、さかんに声が飛ぶ。

「丸山! 入れてくれ!」。

慎重に慎重を重ね、読みきった下りのスライスライン。

フェニックスに夕暮れが迫っていた。その高さ5メートルはあろうか、というギャラリースタンドが、グリーンに濃い影を落としていた。さらに、アドレスしたときの自分の影が、読みきっていたはずのバーディパットのラインに重なった。

「奥から速い、ということは分かっていたから、ふくらませて打とうと思っていたんです。言い訳になりますが、影が気になってイメージが出せなかった」結局、パーに終わったが、それでもホールアウト後の表情は、輝いていた。

前日3日目は、ビヨン、ガルシアとの最終組で、経験したことのないプレッシャーにスコアを崩した。悔しくて、せめて最終日は、最後まで集中してプレーすることを心に誓った。

出場前から胸に期するものがあり、思い入れの強かったこのトーナメントでの初優勝こそ逃したが、これまでの2位とは、充実感が違っていた。

最終日は、米ツアーきっての飛ばし屋ハンク・キーニーとのラウンドだった。この日もやはりプレッシャーは感じたが、しかし最後まで自分を見失うことはなかった。

「追う立場で、しかも極度の緊張の中で集中できたことが大きい」と丸山。

2週間前、苗字が同じ丸山茂樹に言われた。

「行ってダメで、行ってダメでも、また行けばいい」この言葉どおり、「次のチャンスこそ、絶対に勝ちたい」4日間、世界のトップたちに揉まれたことで、さらに意欲が高まったようだ。

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