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フジサンケイクラシック 2003
日没サスペンデッドで24人がホールアウトできなかったフジサンケイクラシック初日、暫定首位タイに立ったのは今大会6度の優勝経験がある尾崎将司
この日午前中の川奈は、真夏のような日差しがのぞいたかと思うと、次の瞬間にはバケツをひっくり返したような雨。猛烈な海風も吹き荒れて、朝からあいにくの荒れ模様。
スタート直後に土砂降りの雨に打たれ連続ボギーの発進に暗雲も垂れ込めたが、当の ジャンボは「あれですべて水に流したんだよ」とニヤリする余裕ぶりで、雷のため一 時中断する直前の10番までに、4バーディを奪い返した。
さらに約1時間半後の競技再開直後。さっきまでの天気はウソのような青空も広が り、「いよいよ、俺の運気が来たな、と」。その言葉どおり、12番からエンジン全 開。怒涛の5連続バーディであっという間にトップ(暫定)に踊り出て「ボギー、ボ ギーのあとこれだろ?えらいね、なかなかできることじゃない」と、思わず自 画自賛した。
今シーズン開幕当時は、オフに取り組んできた課題も半信半疑で試行錯誤が続いてい たが、先週の中日クラウンズ2日目に「自分のやるべきことが、はっきり見えた」と いう。
「技術的な部分。やろうとしていることの中で、最大の応えが返ってきたんだ。それ が、ひいては精神的な安定やパッティングにもつながっている。今週はやれる、とい う自信がある」と、語気を強めた56歳。「手ごたえ十分。こうしてまた戦える態勢が 見えてきたのが嬉しいね!」。
開幕2戦目に、左ひざを痛めて棄権した。今も後遺症は残り、「おじいさんがはめる ようなゴムベルトを膝にはめて痛みを抑えているんだ」。しかしこの起伏の激しい川 奈でそんなハンディはいっさい感じさせないプレーぶりは、同組の25歳コンビ、星野 英正、近藤智弘も圧倒した。体と技の充実感で、心は、すでに大会7度目の頂点へ向 く。
「これからジャンボの株は“買い”だよ!」高らかに宣言だ。