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JCBクラシック仙台 2004
29歳のときにそれまでの努力不足を返上、覚悟を決めていよいよつかんだ悲願の初優勝!!神山隆志
29歳のときにそれまでの努力不足を返上、覚悟を決めていよいよつかんだ悲願の初優勝!!神山隆志
しかし、チャンピオンのそんなつぶやきに、祝福に駆けつけた友人たちは、口々に言った。
「遅いくらいだよ!」(日体荏原高時代の先輩、川原希)。
日大時代は、片山晋呉、横尾要、宮本勝昌ら3強に押され存在こそ薄かったが、「ポテンシャルの高さ は神山も、3人に引けを取らなかった」(日大同期の三橋達也)。
「飛距離だけじゃない、オールラウンドプレーヤー。3年前から一緒にトレーニングやきつい走りこみ に取り組んできて、今年、いつ勝ってもおかしくない選手のひとりが神山さんだった」(日大の後輩で 、神山の自宅の隣に住む矢野東)。
もともと、備え持っていたゴルフのセンスは抜群だった、というのが周囲の一致した意見。しかし、デ ビューから昨年までの7年間に、シード権さえ手に入れられなかった原因に、本人は「努力不足」をま ず挙げた。
「シンゴとか要を見ているうちに、自分との練習量の違いに気がついたんです」。だから20歳台最後の 年の2002年。出場優先順位を決めるクォリファイングトーナメントに失敗し、ツアーの出場権さえ失っ たとき、神山は覚悟を決めた。「あと3年やってだめだったら、プロの道はあきらめよう」。
まずは体をいちから作り直すことに決め、後輩の矢野東と励んだハードなトレーニング。はじめ、バー さえピクリとも持ち上がらなかったベンチプレスは、ノルマの3年目を迎えた今では、80キロが上げられる。
走りこんで絞った体。今年のオフは、6キロ体重が落ちた。ショットに切れが出て、安定感が増した。
努力を重ねてとうとう手に入れた初優勝に、首をかしげたのは本人ばかり。18番グリーンに集まった大 勢の友人たちは、神山のこの3年の努力を知っていた。「これが当然」とばかりに神山を宙に放りなげ、手荒い祝福だ(=写真)。