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〜全英への道〜 ミズノオープン 2004
小さなバイキング・藤田寛之が首位タイ
小さなバイキング・藤田寛之が首位タイ
2003年のアジア・ジャパン沖縄オープンで、ツアー3勝目を挙げて以来、ツアープレーヤーとしての自覚が芽生えるようになった。
それまでは、「僕は狙って勝てるような選手じゃないですから」とか、「優勝は少ないかわりに、常にシードの常連でいられる選手でありたい」などと、謙虚なコメントが目立っていた。
しかし、3勝まで挙げたからには、「そんな控えめなことばかり言っていても、ファンの人たちは納得しない」と、思うようになった。
「自分の出来得る限りの良いプレーを披露して、どんどん優勝を狙っていこう」。 “ツアー3勝”の経歴に恥じないよう、目標は大きく、常に前向きな気持ちでゴルフに取り組くんでいこうと決めた。その結果が、今年の開幕戦でのツアー4勝目につながったのだった。
4勝目を挙げたら、今度は世界にも目が向き始める。今年は、昨年まで2年連続で挑戦した全米オープン予選会のかわりに、米ツアーへの挑戦を増やそうという計画。すでに、来月7月のジョン・ディア・クラシックと翌週のBCオープンの推薦出場が決まっている。
そのうち、BCオープンはちょうど今季メジャー第3戦「全英オープン」の週の開催。もし、この全英オープン日本予選最終戦『〜全英への道〜ミズノオープン』で、ツアー5勝目を挙げれば出場権が手に入る。大幅なスケジュール変更を強いられるが、「イリノイ州(ジョン・ディア・クラシックの開催地)からスコットランドへ世界一周の旅、やりますよ!」。まさに小さなバイキング“ビッケ”さながらの大陸横断も、視野に入れている。
※小さなバイキング“ビッケ”=藤田の愛称。デビューした当時、丸山茂樹が「ビッケに似ている」と、言ったことからそのあだ名がつき、今ではボールやクラブに自ら“Bikke”のロゴを入れるほど、本人もその名前を好んで使っている。
“ビッケ”とは、昭和49年に放映された人気アニメ『小さなバイキング』に出てきた主人公のこと。アニメでは、海賊バイキングのフラーケ族の族長・ハルバルの息子に生まれたビッケが、バイキングの遠征に参加して、その中でさまざまな困難を乗り越え成長していく様が描かれている。原作は、スウェーデンの作家ルーネル=ヨハンソンの童話『小さなバイキング』。