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つるやオープンゴルフトーナメント 2004

2位タイの横田真一

最終18番、パーパットを外し、思わず片足立ちになって悔しがる横田。
"「勝って五十嵐に、生きる勇気を与えたかったんです」
2位タイの横田真一
最終日は5打差13位タイからのスタート。はじめは、優勝などまったく頭になかっ た。しかし、前半で3バーディを奪い、上位選手が伸び悩み、自分の名前がリーダー ボードをのし上がっていくうちに、勝ちたい気持ちが、募っていった。
通算8アンダーで迎えた18番で、その気持ちはピークに達した。
残り126ヤード。フェアウェーからの第2打は「ごく、簡単なアプローチ」。首位を捉 える大きなチャンスだった。
13番でここより6ヤード短い、120ヤードの第2打をピッチングウェッジで「ベタピ ン」につけていた。「あのときよりあと6ヤード飛ばせばいい」との思いが災いし、 余計な力が入った。グリーン奥に打ち込んだ第3打は、寄せきれずにボギー。
「18番はもう1回やり直したいくらい悔しい。自分のプレーが、あいつの勇気になれ ばと思ったのに・・・」。
昨年の日本オープン最終日。同い年の友人であり、エースキャディでもあった五十嵐 克典さんが、コースから自宅に帰る東北自動車道で、大事故に巻き込まれた。直後は 幸いにも、まだ歩行もしっかりしていたし、それほど深刻な影響はないと周囲には思 われていたが、時間がたつごとに後遺症はひどくなり、いまではバッグをかつぐどこ ろか、普段の生活にさえ支障をきたすほどの障害を負っているというのだ。また、脳 にダメージを受けているために手術が難しく、手術も不可能だと診断されているとい う。
先日、久しぶりに会ったとき、その症状の悪さに横田はショックを受けた。
「・・・彼に『自殺したい、と思ったこともある』と打ち明けられて・・・。なんて 言えば いいか、分からなかった。とにかく悲しかった。せめて、自分のゴルフで生きる力を 与えたかったのに・・・」。思いを叶えられなかった歯がゆさに、うなだれたまま唇 を噛ん だ。"

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