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アコムインターナショナル 2005

上田諭尉「球が曲がるのは、技術ではなく気持ち」

この日同じ組でまわった片山晋呉は、大学時代のひとつ先輩。上田は専修大学で、片山は日大のエース。大学対抗のリーグ戦では、よく一緒にプレーしたものだったが、お互いデビューしてからは一度もラウンドする機会がなかった。

賞金王までのぼりつめた先輩との初ラウンドに圧倒されて、「初めのうちはプレーを見ちゃった」。
そのせいで自分のプレーに乗りきれず、イライラしていたという。

悪い流れを断ち切ったのは、9番で4メートルのパーパットを入れてからだ。

「自分の型に徹すればいい」。
そう思って、自分を取り戻すことができた。

我に返ったら、客観的に自分と片山のプレーの違いを見つめることができた。
「球が曲がるのは、技術ではなく気持ちだった」と、気がついた。
セカンドショットも、片山よりもむしろ近くにつけることができていたと思う。
「でも、シンゴさんはそのあとの詰めがうまいんです。良い勉強になりました」。

賞金王の技を存分に吸収しつつ、負けじとスコアを伸ばして通算11アンダー4位タイに踏みとどまった。

ツアーの出場優先順位を決める昨年のファイナルQTは82位。今季はほとんど出番がなく、出場2戦目となる今大会は19日月曜日に行われた予選会からの挑戦だ。
もし勝てば昨年の井上信に続く、史上4人目のマンデートーナメントからのチャンピオン誕生となる。
「・・・思い切ってやります」。

最終日はバッグを担いでくれる弟の崇宏さん(=写真下、右)と二人三脚で、頂点だけ見つめて歩く。



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