Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2005
ダレン・クラーク誰よりもこの喜びを伝えたい人
年間を通じて12試合しか出場できず、規定試合数に満たなかったためだ。
「今年はアメリカ1本で戦いたい」と、希望していたクラークに悲劇が襲ったのは昨シーズン。
今大会で日本ツアー2勝目をあげた直後のことだ。
妻・へザーさんがガン告知を受けた。
2人の子供の出産時にも、長期休暇を取ったほどの家族思い。
闘病生活を送るへザーさんのそばに少しでも長くいたいと、米欧両ツアーの掛け持ちを決めて妻を支える日々。
試合も休みがちになる夫を、いつも無理に送り出してくれたのがほかでもない、病床のヘザーさんだったという。
後ろ髪引かれる思いで、今年もできるかぎり世界各地を転戦したが、常に病状を思いながらティグラウンドに立たなければならなかった心情は、察するに余りある。
このことに関しては、あまり多くを語りたがらないクラークが、「喜びをいちばん誰に伝えたいですか」と報道陣に問われたとき、迷わず妻の名をあげた。
この連覇達成は、ヘザー夫人を何より力づけてくれるであろう、1年ぶりの今季初優勝でもあった。