Tournament article
日本プロゴルフ選手権大会 2005
S・K・ホ「優勝より、早く家に帰りたいかも・・・(笑)」
首位と2打差の単独首位に立って、のぞんだインタビュー。
「連覇のチャンスですね」と報道陣に聞かれたが、わざと顔をしかめてホが言った。
「実はとても疲れていて・・・。優勝より何より、いまは早く家に帰りたい気持ちなんですよね」。
「じゃあ、そのときに優勝カップも持って帰れば」。
「う〜ん・・・でも、あれもけっこう荷物になるしね。飛行機で、またオーバーチャージ取られちゃいます」。
即座に返して、笑いを誘った。
もちろん、リップサービスのうちだが、相当に疲れがたまっているのは本当だ。
先月から連戦が、続いている。オープンウィークの先週は、韓国ツアーに参戦。
今年、新たに発足した同ツアーは、韓国男子を盛り上げようと躍起になっていて、海外で活躍する母国のスタープレーヤーたちに、出場のオファーが相次いでいる。
日本ツアーで3勝の経験があるホにももちろん白羽の矢が当たり、来月にも2試合のエントリーを予定している。
その合間には5月30日に、兵庫県の小野ゴルフクラブで行われる全米オープンの予選会にも挑戦するつもりだから、このまま試合に出続ければ、かなりハードなスケジュールになる。
大事をとって来週の試合をキャンセルし、韓国で骨休みすることにした。
「それがいまは、一番の楽しみ」。
連覇、連覇とガツガツせず、ひょうひょうとプレーしているのが好結果を読んでいるのかもしれない。
ティショットの落としどころが狭いホールも多く、飛距離より正確性が問われるここ玉名カントリークラブのレイアウトは、「僕向き」と自負しているだけあって、68、68、67と3日間、安定したスコアをたたき出している。
たまのミスも、気にしない。
16番パー4。右のラフから、バンカー顎の目玉に打ち込んだ第3打を寄せきれず、この日初ボギーを打ったが、「メジャーですよ、普通のセッティングではないんですよ。このまま、ボギーなしで上がったら(主催の)PGA(日本プロゴルフ協会)が、怒るでしょう?」と、平然と言ってのけるしたたかさ。
選手の間でも、ホ有利を挙げる者が多い。
余裕の構えに、ますます連覇の予感が高まっていく。