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三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2006

鈴木亨「シンゴにぶつかっていくつもりでやる」

30代、最後の日。最高の形で締めくくれたと思う。最終18番。左ラフから残り195ヤードの第2打。迷わず握ったのは、今週からバッグに入れた7番ウッドだ。

以前、中嶋常幸はこんなことを言っていた。
「7番ウッドを使うくらいなら、俺はゴルフをやめるよ」と。
「それを使わなくても済むように、だからちゃんとトレーニングをしてるんだ」とも。
本当は、鈴木にも抵抗があった。
「でも、乗り遅れると負けちゃう。・・・俺だって、トレーニングはしてるけどそれでも、新しいものも取り入れていかないと実が取れない、そう思ったんです」。

今週の狭山ゴルフ・クラブは深いラフに、固いグリーン。「3番アイアンじゃ、球が上がらない」と決意。
さっそく初日から使い出したニューギアに、再三助けられたという。

「今日の18番も7番ウッドがなかったら、打つクラブがなかった。刻むしかなかったと思う」。
手ごたえのあるショットで、最終ホールを締めくくることができた。
単独首位をキープした。

最終日に、40歳の誕生日を迎える。
1打差、2位につける片山、横尾はいずれも33歳。「シンゴにぶつかっていくつもりでやる」と鈴木。
7つも年下だが「実力は、自分よりもずっと上ですから」。
素直に、片山を評価した。

「・・・だってそうでしょう? 勝ち星だって、生涯獲得賞金だって、ずっと以前に抜かれてる。誰がどう見たって、いまは彼のほうが上。・・・僕はいつでも、自分をちゃんと客観的に見れるからね」。

このオフ、片山のビデオを見て参考にした。
「特に背中の使い方が、日本一。彼のような動きをしたいと思った。彼のような振り方をするためにどこが足りないのか。どうすればいいのか。そう考えながらトレーニングに取り組んだ」と、年下の選手からでも貪欲に、吸収できるものはしてやろうという姿勢。

その片山と、久しぶりに最終日最終組で回る。
「1打差はあってないようなもの。久々に近くでシンゴを見ながら、今までやってきたことを出せたらいいね」。
最終日は40代、最初の日。
余計なプライドは捨て去って、若き賞金王に全力でぶつかっていく。



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