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ANAオープンゴルフトーナメント 2006

横田真一「うちの女房は“アナ”イです」

戦う“選手会長”が復調の兆しだ。169ヤードの6番パー3は6番アイアンで「あわやホールインワン」のティショット。ピッチマークはカップの手前についていたのに、肝心のボールがそこからまっすぐ線を結んだ真奥の10センチのところにあったのが少々ナゾだが、この日2日目も、ショットがピンに絡むゴルフ。
ボギーなしの67でまわって単独2位に浮上して、「アイアンショットがかなり良いです」。
久しぶりに、笑顔を見せた。

今季フル参戦にもかかわらず、現在、賞金ランクは93位。前週のサントリーオープンの19位が最高。
人柄と行動力が評価され、今年も2年連続で選手会長を続投したが、11年間守リ続けてきたシード権には黄信号。

シーズン中盤にきてこの位置では「悲惨」と言わざるをえないが、この状況も初めから覚悟できていたことだった。

今年、キャスコからホンマへ。
選手にとって、クラブ契約の変更は大きな「リスク」が伴う。
それを承知で、踏み切ったが、その道は多難だった。

ツアーでは無類の感覚派であると同時に、大変なこだわり屋だが、従来のスイングのままでは新しい道具に対応しきれない。

試行錯誤ののちに悟ったのは「自然に逆らっちゃいけないってこと。クラブを、無理に自分にあわそうとしてはいけない。自分をクラブに合わせること。こだわりを捨てたんです」。

クラブに合った球筋に変えることで「殻を割って抜け出した」。道具の良さを最大限に引き出すことで、ようやく不振から脱却しつつある。

もがき、悩み抜いた末につかんだのは「もしかしたら、もっと強くなれるかも」という自信。
ツアー初優勝は、97年のこの大会だった。
当時、名称は全日空オープン。
しかし、2003年からANAオープンと変更になったことで、横田はひとつの“吉兆”を見出した。

『ANA』はアルファベット読みで『エーエヌエー』と読むのが正しいが、ローマ字読みをして「アナ」と、呼ばれることも多い。
これに引っ掛け、横田は言った。
「うちの女房は穴井だから。アナイー(アナ良い)だね」。
この嬉しい発見に、9年越しのツアー通算2勝目までもがくっきりと見えてきそうだ。

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