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日本オープンゴルフ選手権競技 2006
アマチュアのウォン・ジョン・リー「父のためにもぜひ勝ちたい」
この日3日目も豪快なゴルフを披露して、韓国系豪州人のウォン・ジョン・リーが、首位と3打差の4位タイに踏みとどまった。
ゴルフ同様に、夢もでっかい。
首位のポール・シーハンも「母国オーストラリアのトップアマ」と認めた逸材が狙うのは、昨年に引き続き2年連続のローアマチュア賞ではない。
今年の目標は、正真正銘の“日本一”の座。
10月、南アフリカで行われる世界アマを最後にプロ転向を予定している。
デビュー戦は、日本ツアーの三井住友VISA太平洋マスターズになる見込みだ。
アマチュアとして臨む最後のこの大会で、ただひたすら頂点だけを見つめている。
発奮材料もある。
今週、バッグを担ぐ父・チェンサン氏は、忙しい仕事の合間を縫って、これまでも多くの大会でたびたびキャディをかって出てくれた。
「・・・でも、それも多分この大会が最後でしょう」。
プロ転向後はプロキャディと、専属契約を結ぶ予定だからだ。
技術的なアドバイスというよりはむしろ、いつもそっとかたわらにいて、精神的な安らぎを与えてきてくれた父。
「はっきりと口に出しては言わないけれど。考えていることは、だいたい分かっていますから」。
父も、望んでいるもの・・・。
それはもちろん、優勝の二文字しかない。
ウォン・ジョン・リー
1985年10月23日生まれ。
17年前に祖父を追って、両親とともにオーストラリアへ移住し、1995年に国籍を取得した韓国系オーストラリア人。
祖父の影響で、本格的にゴルフを始めたのは2000年。わずか5年あまりで頭角を現した。
身長190センチ、体重93キロの巨漢から繰り出す飛距離は驚異的。
<主な戦歴>2005年日本オープン11位タイ(ローアマ)、2006年ノムラカップ アジア太平洋アマチュアチーム戦個人・団体優勝、2005年4カ国チーム選手権優勝