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中日クラウンズ 2006

和合の“名物ボランティアさん”が今年も登場!!

和合の1番ティ。ギャラリーひしめくスタートホールで、朗々と声が響く。「さぁ、宮里優作選手が入場してまいりました。素晴らしいプレーには、ぜひ大きな拍手と声援を。ただし選手のプレー中はお静かに。ご観戦の際には、携帯電話の電源をお切りください」。

淀みのない口上についつられ、ギャラリーも自然と手を叩いている。慌てて携帯の電源を、確かめている人もいる。

この声の主は、ボランティアの磯村守和さん。コース近隣に住む60歳だ(=写真上、中)。
はじめて大会に参加したのは6年前。以来、キャディやマーカーなどを経験し、この1番ティのギャラリー整理を担当するようになったのは、昨年のことだった。

そのとき、スタートが始まってからすぐに磯村さんは我慢ができなくなっていた。
「・・・なんで選手が入って来ても、誰も拍手をしてあげないんだろう? シーンとして、これじゃあ大会も盛り上がりようがない」。

3組目のスタートで、とうとうシビレを切らした。思わず、叫んでいた。
「みなさん、拍手で選手を迎えましょう!」。
いっせいに磯村さんに視線が集中したが、ひるまなかった。
地元・消防団主催の盆踊り大会で、司会をつとめて30年。度胸と、声の大きさには自信があった。
いっそう、声を張り上げた。
「みなさんの力で、大会を盛り上げましょう!」。
さらに大きな拍手が沸き起こった。

一人の勇気に、会場の空気がパっと明るくなった。
この磯村さんの心遣いを喜んだ主催社から「来年もぜひお願いします」と、言われたほどだ。

あれから1年。
嬉しかったのは、今年も1番ティ横に立つ磯村さんに「あ、去年の人ですね!」と声をかけてくれる人がたくさんいたことだ。そのことで、いっそうやりがいも増したという。

「最近、女子女子ってみんな言うでしょう。だから余計に男子に元気を出してもらいたくてね。特に優作君とか、若い人にもっと頑張って欲しいなあ!」。
そんな思いを、率先して形にしようとしてくださる姿勢に頭が下がる思いだ。

今週も、延べ640人ものボランティアのみなさんにご協力いただきました。
「大会を盛り上げてくださって、本当にありがとうございました!」(チャンピオン・片山晋呉)。

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