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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2007
横田真一「再チャレンジャーです!」
この日水曜日の練習ラウンドで、「久しぶりの“1軍”はコースも、雰囲気も何もかも違って最高です!」と、晴れやかな笑顔を見せた。
選手会長に就任して2年目の昨シーズン、12年間守ってきたシード権を失った。
本業のゴルフ以外に思いのほか雑務が多く、自分の練習時間を割いてまでツアー発展のために力を尽くした横田に対し「選手会長特別シード枠」の話が持ち上がったほどだ。
しかし、横田は身を切られるような思いでこれを、辞退した経緯がある。
チャレンジトーナメントで2勝目をあげて、帰宅したその日の夜のことだった。
玄関で満面笑顔で出迎えてくれた4歳になる長男・知己くんが言ったのだ。
「お父さん。去年、特別シードを断っておいて良かったね。だから今週、勝てたんじゃない?」。
「・・・これが4歳の子のいうことか?!」。わが子ながら、物分りのよさに驚嘆するとともにその言葉に深く深くうなずいた。
「ほんとうに、知己の言うとおりだよ!」。
昨年はシード落ちのショックを引きずったまま、ツアー出場優先順位を決めるファイナルQTでも失敗。
ランク141位はツアーの出番がほとんどないが、2年前から引きずっていた腱鞘炎の治療にかける時間ならたっぷりある。
コーチの内藤雄士さんとのスイング改造にもじっくと取り組める。
おかげで一時は25キロまで落ちた握力も、いまはすっかり回復して50キロを超えた。
いま一番お手本にしているというアーニー・エルスのスイングも、次第に自分のものとなりつつあり、完全復調と言ってもよいくらいだ。
「もしあのとき・・・」と、横田は改めて振り返る。
「特別シード枠を使って今年、ツアーに出場できていたとしても、きっとまた同じ結果になっていた」。
内藤コーチの教えに忠実に、まさに「まな板の鯉状態」で調整に当れたのも、有り余るほどの時間があったからこそ。
「それこそ、ビギナーの気持ちに返って一からやり直すことができたから」。
そんな気持ちの余裕が先週の“今季2勝”を呼び込んだのは間違いない。
今年から、チャレンジトーナメントで年間3勝した者は、その年残りのツアーに出場できることになった。
新しく敷かれたこのトーナメント規定の適応に王手をかけて、「どの試合でも優勝するって、そんな簡単なことじゃないけれど。“再履修”のトーナメントでぜひ“単位”を取って卒業したい」と意気込むが、もっと手っ取り早いのは今週、ツアープレーヤーNO.1の座につくことである。