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サン・クロレラ クラシック 2007

初日暫定首位の鈴木亨「期待に答えたい!」

最終18番は気合が入った。9アイアンで打った第2打を、グリーン奥に打ち込んだ。2メートルのバーディパットは「相当に意識した」。外せばトータル1アンダーは、2位グループに飲み込まれてしまう。
「絶対に入れなきゃイカン!」とねじ込んで、2アンダーは「上出来のスタート!」と、久しぶりに明るい笑みがこぼれ出た。

今季これまで平均パット数は4位につけるが、「自分では、データどおりのゴルフが出来ていない」との思いがずっと心にあった。
前半の6番で10メートルのイーグルパットを3パット。せっかくのチャンスが平凡なパーに終わり「やっぱりな」との思いに包まれた。
この難コースでメゲかけたが、次の7番で同じ距離をしのぎ、さらに8番で手前2メートルをしっかり沈めたことで生き返った。

強風の中、風向きが読めず、「途中ワケがわからなくなった」が諦めずにミスジャッジはアプローチでしのぎ、最後も踏みとどまって好発進が切れたのは、恩人のアドバイスがあったからこそ。

ツアーに帯同するフィットネスカー「プレジャー」の専属トレーナーの成瀬克弘さんが、2週前の長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップで言ってくれたのだ。
「調子が良かったころと、スイングが違うみたい」。
長年の付き合いで、長所も短所も知り尽くしている人からの言葉は重かった。

自分でも思い当たるフシがあり、指摘された部分を特に意識してスイングするようにしたら、たちまちフィーリングが良くなった。
その週は予選落ちをしたが、それでも不思議と悔しくはなかった。「久しぶりに、自分のゴルフができた感じがした」という確かな手ごたえがあったからだ。

先週までのオープンウィークでさらに調整を重ねて迎えた今週は、初日にさっそくその成果が出た上に発奮材料もある。
前日水曜日のプロアマ戦で、会場のここ小樽カントリー倶楽部の菅原春雄理事長とのラウンドは、理事長のほうから「鈴木プロと回りたい」と言って実現したことだった。
そのプレー中に、「ぜひここで優勝を」との声援を受けて、選手としてその気にならないはずがない。

今年41歳は「厄年」を転じて「花の40代にするためにも、ぜひ期待に答えたい」と、力をこめた。

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