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サン・クロレラ クラシック 2007
島田正士が4位に浮上
今季初出場の選手が3日目に通算2アンダーの単独4位。最終日を前に、いきなりV争いに加わった要因はこれまで不調だったパッティングに明るい兆しがあったからだ。
2000年に、PGAフィランスロピーでツアー1勝をあげながら、賞金ランクによるシード権を得ることもなくドン底に落ちたのはイップスが原因だった。
「とにかく怖くて怖くて仕方ない。50センチも余裕で怖くて、手が動かない」という症状は、年々ひどくなる一方だった。
これまで、どんなパターを試してもダメだったが、光明が見えたのは先週のチャレンジトーナメント「カニトップ杯チャレンジ」だ。
思い切って、長尺パターを使ってみたら思いのほか効果があった。
「特に短い距離が安心して打てた。気持ちが楽になった」という。
そうはいっても、使い始めてまだ2戦目。
この日3日目の第3ラウンドの最終9番でも2メートルもないバーディパットが決められなかった。
「とても自信持って、という感じじゃないけれど・・・」と歯切れは悪いが、主催者への恩もある。
「良い成績でぜひ、お返しがしたいから」。
また、3試合連続優勝がかかる谷口徹は、高校・大学を通じて3つ上の先輩。
以前は、試合のない日によく一緒にラウンドしたものだ。
「・・・一度くらい、先輩に勝ちたいですよね」。
柔らかな物腰の中に、闘志をちらつかせた。
島田正士しまだまさし
1971年7月1日生まれ、滋賀県出身。小中学校時代は野球部。父の影響で13歳からクラブを握った。青木功が優勝したハワイアンオープンをテレビで見てプロの道を目指した。大阪のPL学園高校から同志社大ゴルフ部に在籍。同学年の桧垣繁正、横田真一としのぎを削り、4年時には関西学生制覇。94年にプロテストに一発合格したが、苦労続き。2000年のPGAフィランスロピーでツアー初優勝を飾ったものの、以後はパットのイップスに悩み、一度も賞金ランクによるシード権を得ることもできず、今は出場権すらない。
身長184センチ、体重82キロ。