Tournament article
中日クラウンズ 2007
上田諭尉「和合の神様がサービスしてくれたんです」
今年の開幕戦で、ツアー初優勝をあげてシード権を取り返した。
QT組にはなかなか出番が回ってこない今大会は、4年ぶりの出場だった。
「やっとここに帰ってこられた気分」とその喜びを語っていたのは開幕直前の水曜日。
しかも、トッププレーヤーにしかチャンスがないプロアマ戦のエントリーを受けて「トッププ
レーヤーに仲間入り出来た気分!」と、誇らしげに胸を張っていたものだ。
コース近隣の岐阜県大垣市出身ということもあり、大注目の中でスタートしていったのに、のっけから和合にノックアウト。
一時首位から38位に転落し「僕の技術じゃ、この風は手に負えない・・・」としょげ返っていた
男が、この日2日目に起死回生の66をマークした。
「昨日、厳しい試練を与えられたから。和合の神様がサービスしてくれた」と、思わず苦笑したのも無理はない。
固く速いグリーンに「手前から乗せる」のが、ここ和合のセオリー。
それなのに、「止められずに奥へ行ってしまった」。
大ピンチのはずのアプローチ。
2番パー5で、奥から10メートルの第3打をサンドウェッジで直接入れた。
9番で、やはり奥から6メートルを、サンドウェッジで放り込んだ。
さらに13番は、これまた奥から10メートルのアプローチ。
サンドウェッジで打った第2打は、ワンバウンドでカップに消えた。
「たまたま、カップがそこにあった」と、おどけて見せた。
「・・・アプローチは、上手くないのに」と、照れ笑いした。
自身初という1日3つのチップインで、通算1アンダー4位タイ浮上して、一気に優勝争いに食い込んできた。
早くも、ツアー2勝目のチャンス到来。
「昨日の43があったから、今日のスコアがあるんです」。
底抜けのプラス志向が、この難コースで武器となるか。