Tournament article
マイナビABCチャンピオンシップ 2008
丸山茂樹が9年ぶりの参戦
そして、何よりこの速さだ。
「アメリカでもこんなのはなかなかない」と、悲鳴をあげる。
それは、例えるならば世界メジャークラス。
「全米オープンとかにも匹敵するグリーン。みんな相当、手こずる可能性がある」と、警戒する。
「99年に出場したときよりも相当タフになって、優勝スコアもきっと2桁はいかない」と予想して顔をしかめたが、しかしそこには9月に帰国した直後の暗さはみじんもない。
9年目を迎えた米ツアーでの「ストレスを洗い流したい」と、今季の日本残留を決めた矢先だった。
先週のブリヂストンオープンで3位につけて何より嬉しかったのは、長男・奨王くんが喜ぶ顔だった。
父親がスランプに陥ったのは一人息子が物心ついて、ゴルフに夢中になり始めた時期と重なる。
「苦悩しているところしか見せていなかったから・・・」。
いまは日米で離ればなれに暮らす奨王くんに、海を越えて復調を兆しを届けられたことが、丸山の笑顔をいっそう輝かす。
ドライバーの不振に苦しみ「いまは飛距離より安定感」にこだわって、先週は日替わりで様々なドライバーを試したが、今週は最終日に使った1本に落ち着きつつある。
「良い方向が見えてきた」と丸山。
「・・・やっぱり、優勝を見せたいからね」。
愛息の笑顔が何よりの励みだ。