Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2008
片山晋呉「中嶋さんをぎゃふんと言わせます」
「オマエはまだ24勝目だ、と・・・」。
そのココロは、片山がまだこの三井住友VISA太平洋マスターズで勝っていないから。
かくいう中嶋は今大会3勝。
会場の太平洋クラブ御殿場コースのロッカールームには、歴代チャンピオンだけを集めた専用のロッカーエリアが用意されている。
「でもここにはオマエのロッカーはないだろう」と、得意げに言われるたびに地団駄を踏む思い。
「もう分りましたよ、勝てばいいんでしょう?!」と仕方なく苦笑いで言い返したが、その一方で中嶋なりの励まし方だということも分っている。
同時に、自分を認めてくれているという証だということも。
「そうやっていつもハッパをかけてくれて・・・本当に素敵な人なんです」。
先週のレクサス選手権の火曜日は、中嶋自らわざわざ練習場に10月の日本オープンのお祝いだ、とワインを届けてくれて、あまりの感激に泣きそうになった。
「偉大な人に気にかけてもらえることは本当に幸せなこと」。
だからこそ、その気持ちに応えたい。
それが今週の片山の原動力だ。
「御殿場はドローボールが必要」とそのために今週から持ち替えたドライバーが絶好調だ。
この2日間、ほとんどフェアウェイを外さず、高速グリーンも“一休さんグリップ”と命名した変則グリップでのパッティングで相変らずの調子の良さだ。
今週も狙って獲る。
目標達成のために、不安材料はどこにもない。
「最終日に中嶋さんをギャフンと言わせます」。
ニヤリと笑った。