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ダンロップフェニックストーナメント 2008

岩田寛「黙らせて行きたい」

新岡キャディ(右)との約束も気になるところだが…!?
先週に引き続き、岩田のバッグを担ぐプロキャディの新岡隆三郎さんが青ざめた。「まさかみなさんの前で言っちゃったんですか?!」。

それは開催前に、2人で交わした他愛もない会話だった。

新岡さんは「今週、12アンダーを出したら優勝できる」と予想した。
岩田を励まし、スコアの目安にしてもらおうと何気なく言ったことだったのだがこれに岩田が食いついた。
「もし12アンダー出しても2位だったら…。残りの2000万円払ってくれますか」と、気色ばんだのだ。

賞金総額2億円。優勝賞金4000万円の今大会は、2位賞金2000万円。

言うとおりのスコアを出しても勝てなかったら足りない分を払ってくれるかと迫った岩田に、ついその場の勢いで「払うよ」と即答してしまった。

その一部始終を岩田が報道陣の前で喋ってしまったと聞いた新岡さんは「…借金してでも払います」。公になってしまったことで、後に引けなくなってしまったこの賭けが、岩田に明確な目標を植え付けたことも確かだ。

「12アンダーなら6ホールに1個の割合で、バーディを獲ればいい。簡単だな」。
そしてその目算どおりにこの日3つスコアを縮めて2位タイの好スタートに、岩田は「勝って行きたい」。
来月3日から来季の米ツアーの出場権をかけた、米ツアーのファイナルQスクールに挑戦するが、岩田はまだツアー未勝利だ。

まだ実績もないままに世界最高峰のツアーを目指すことについて、いろいろと雑音もあるだろう。
たとえば「日本で勝っていないのに、アメリカなんて」等々…。
そんな声が上がる前に、機先を制したい。
「黙らせて行きたい。勝っていい形で行きたい」。
それが国際色豊かなこの大会ならなおさらだ。


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