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ダンロップフェニックストーナメント 2008

2週連続Vがかかる片山晋呉は「回りを見ながら静かにやる」

逆転賞金王を狙い、闘志満々の矢野。それとは対照的に、片山は冷静そのものだ。むしろ、冷めているといってもいい。先週は、宣言どおりの大会初タイトル。有言実行のツアー通算26勝目に「今はもう何も残ってないような…」と、苦笑いを浮かべるばかりだ。

「本当に、今はなんだか満足しているというか…。気持ちとしては静かに大人しくやろう、と」。
ことごとく、報道陣の質問をかぐらかしたがそれこそ大会2度目のタイトル奪取に向けた、作戦のひとつかもしれない。

挑発には乗らない。
そのことによって力が入ってチャンスを逃したり、微妙なパーパットを外したり…。
「回りを気にすると、そういうパーセンテージが上がるでしょう? 回りのせいで自分の状況が変わったり、左右されるのは良くないこと」。
昨年から取り入れている心理学の一環でもある。
「気合いを入れすぎると持たないしね」とは週ごとに、気持ちの持って行き方を十分に心得た選手らしい言い分だ。

また自信の裏返しでもある。
日替わりでさまざまな握り方をすることもある片山には珍しく、自称“一休さんグリップ”はこの夏から継続中。
「技術的な不安もないし、不安なしでここに来ることもそんなにないですしね。口に出してやるほどでもないので今週は回りを見ながら静かにやろうかと」。
静観を決め込む片山も、それはそれでまた不気味でもある。



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