Tournament article
つるやオープンゴルフトーナメント 2008
桃ちゃんの先生が…
何人もの選手をトッププレーヤーに押し上げた敏腕コーチが、じつに7年ぶりの決勝ラウンド進出だ。
そればかりか、通算6アンダーは暫定5位タイ。
奇しくもこの日は、上田桃子が米女子ツアーのスタンフォードインターナショナルプロアマ初日に首位立った。
自らのゴルフで、江連忠が教え子たちに威厳を示した。
93年にプロ転向を果たしたものの、翌年のKBCオーガスタの5位タイが自己最高。
毎年、出場優先順位を決める予選会クォリファイングトーナメント(QT)に挑戦しつつ、別分野で頭角をあらわした。
米国人コーチのジム・マクリーンに学び、特に試合中の選手の心理状態を前提にした指導法をウリに、プロコーチとして脚光を浴びるように。
しかし、いざ選手の立場となると、いつも教えていることが実践できない。
やはり主催者推薦を受けて、6年ぶりにツアーに出番を得た先週の東建ホームメイトカップは「調子は良いのに」予選落ち。
「やっていると、つい欲が出て…。アドレナリンが尋常でないくらい…」と苦笑する。
今季2戦目の今週は、女子プロの辻村明須香の兄で、自身もプロを目指している明志(はるゆき)さんをキャディーに起用して吉と出た。
「僕がもしキャディーだったら、こういうアドバイスをする、と思うことを言ってくれるんです。明須香お兄ちゃんのいうとおりにプレーしたのが良かった」。
水曜日のプロアマ戦出場のオファーを受けたことも良かった。
たいていは、その年のシード選手が務める“接待役”を任されたことで、「なんだか気持よくなっちゃって…」。
予選通過できたら御の字だと思っていた。
前半のインコースで2つスコアを伸ばし、通算3アンダーで折り返しても、予選落ちの不安は去らなかった。
「僕の場合は、何が起きても不思議じゃないから」。
3番で3メートルのバーディチャンスを決めて、ようやく「大丈夫だ」と思えた。
そこから3連続バーディを奪ってから、とたんに順位を意識して伸び悩んだが、片山とは1打差に「どうしよう、晋呉と同じ組になっちゃったら!!」と、悲鳴をあげた。
教え子との優勝争いには「めっそうもない。緊張しちゃうよ」と謙遜。
「大丈夫、終わったら晋呉と14打差くらいになってるから」と自らに言い聞かせることで、懸命に気持を落ち着かせようとしていた。
写真=ホールアウト後に、山の原名物のコロッケで腹ごなし。キャディーの辻村さん(左)にもおすそわけで「今日のご褒美だよ!」と江連(右)。