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日本プロゴルフ選手権 2008

片山晋呉「明日はギンギンにやります」

雷さえも、その勢いは止められなかった。15時15分から、26分の競技中断のあと、再開ホールの15番パー5の第3打をピタリと寄せた。この日7つめのバーディで、2位以下を完全に突き放した。しかも「今日は、ほぼピンチもなし。3日間で一番いい」。完璧なゴルフに、もはや相手の動きは目に入らない。
1番で、同組の丸山大輔がチップインイーグルを奪ったが、「自分が(セカンド)を乗せたときには、すでに忘れてた」。
4メートルのバーディ発進は、出だしから3連続のロケットスタートで、脇目もふらずに走り続ける。

今週は、初日から54ホール連続ボギーなし。先の中日クラウンズの最終日の15番ホールから数えると、58ホール連続のノーボギーだ。
「最後まで、記録を狙うか」と報道陣に問われて笑み崩れた。
「意識すると、ものすごいやりにくいからね。明日は、ボギーを打ったらニコっとすると思う。それとも、絶対にボギーを打たないと決めてやるか・・・」。

ツアー最多アンダー(26)の記録更新にも期待がかかるが「それは、ちょっと無理。でも、自分の記録は破ってみたい」。
2003年のABCチャンピオンシップでマークした23アンダーを射程に入れた。

4月のつるやオープンで7位タイ。
中日クラウンズで単独3位。
「調子は悪くない。あとは、勝つためには何が必要か」。
先週1週間は完全休養を取って「整理してみた」という。

「和合では、自分から仕掛けてボギーを打つ。凡ミスが多かった。それを減らすこと」。
今週は「狙うホールと狙わないホール」を徹底的に分けて、プレーしている。
たとえば、14番のパー4は「わざと乗せない」。左に外して確実にパーを拾う。
15番もそう。「左のカラーにしか打ってない」。
メリハリをつけた攻略法で2位と7打差。
しかし、気持ちは絶対に緩めない。
「ウッズだってそう。こういうときこそ、普通の試合よりも気合いを入れてやるはずだから。僕も、明日はギンギンに行きます」。
大量リードがあるからこそ、真の強さを見せつける。

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