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関西オープンゴルフ選手権 2009
ローウェストアマは藤本佳則くん
最終日は日大3年の中西直人くんと、最終9番で揃ってボギーを打ち、通算3オーバーは61位タイに並んだ。
藤田らが優勝争いを繰り広げるかたわらで、1番パー5からのプレーオフで決着がつけられることになった。
その1ホール目にティショットを右に曲げ、ラフからの第2打でグリーンを大きくオーバーさせてパーに終わった中西くんに対し、残り211ヤードの第2打を5番アイアンで奧2メートルにつけてバーディを奪った。激戦を制し、みごと栄冠を勝ち取った藤本くんだが、目標はあくまでもツアーでの優勝争いだった。
それにはほど遠い順位に「今週はOBを全部で5回くらいは打っている」と不満げに、「ティショットの精度がプロとはまったく違う。今後の課題です」と、反省点をあげていた。
翌週から日本学生選手権を控え、今大会の経験を糧にさらなる飛躍を目指す藤本くんには表彰式でチャンピオンの藤田よりも先に記念の楯と、今年からローウェストアマ賞としてもうけられた「中部銀次郎杯」が贈られた。
日本アマを6回制し、この関西オープンでも5度のローウェストアマ。生涯アマを貫き、ゴルフ界の至宝と呼ばれた故人の名を冠したトロフィーは、中部氏のご子息の隆さんから藤本くんに手渡されたのだが、本当は渡したくはなかった?!
「実は、僕がもらう気満々だったのですが……」と苦笑した隆さんも、実は今大会の出場を目指して独自の予選会に挑戦していた。
しかし、予選落ちをして出番が得られなかったのだ。
「非常に残念!」と悔しがった隆さん。
そして「来年こそは」と、リベンジを誓った。
今年から、18年ぶりにツアー競技に復帰した今大会で、父親の名前をつけた賞が誕生したことについては「天国の父も、非常に喜んでいると思います」と、感慨深げだ。
「若い方の中には、すでに父のことを知らない人もいらっしゃるかもしれませんが、これを機会に父のことを少しでも知ってもらい、この大会のたびに亡き父のことを思い出して下さる方が一人でもいてくださったなら幸いです」と、しみじみと話されていた。