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関西オープンゴルフ選手権 2009
アマチュアの藤本佳則くんが好発進
バーディチャンスはもちろん、この日は18番で6メートルのパーを拾うなど、特にパッティングが冴えた。
小、中学時代に出場した関西ジュニアの開催コースがやはり、ここ宝塚ゴルフ倶楽部の新コースだった。
「何度か試合に出て、慣れ親しんだコースでしたから。ここのグリーンは僕のフィーリングと合っているし、気分よくプレーが出来ます」。
宮城県の、東北福祉大の2年生だが奈良県出身。
大会出場を機に、久しぶりの帰郷は母親の手料理にも癒されるという。
「おかんの味噌汁が特に美味くて。それが一番の楽しみかな。関西に戻ってくると、のびのび出来る」と、地の利を存分に生かしてプロ顔負けの堂々とした戦いっぷりだ。
大学OBの谷原秀人と、藤島豊和と練習ラウンドをともにして、本番を前にプロのエキスも存分に吸収できた。
身長164センチ、体重は66キロと小柄ながら平均飛距離270ヤードの豪快なショットは、「先輩たちにスピン量のコントロールの仕方を教えてもらった」と、ますます冴えを見せ、ほとんどミスもなかった。
今大会は、まだツアー外競技だった2006年大会で、首位でスタートした最終日こそ75を打って崩れたが、最後まで優勝争いを繰り広げた末に3位タイ。
ローウェストアマを獲得している。
今年から、もっとも優れたアマチュアには「中部銀次郎杯」がもうけられ、選手たちはみな、その栄誉を手にせんと目の色を変えているが、藤本くんの目標はもはやそこではない。
大学卒業年をめどに予定しているプロ転向にむけて、「できるだけ経験を積みたいから」。
ツアーで優勝争いすること。それが、藤本くんの望みだ。
思いを強くしたきっかけが、6月の日本プロ。
やはり大学OBの池田勇太のツアー初優勝の瞬間を、目の前で見届けた。
折しも翌週に、同じ北海道で全日本大学ゴルフ対抗戦を控えており、先入りして部員みんなで先輩の応援に駆けつけた。
特に藤本くんは、高校生のころから池田にいろいろと面倒を見てもらっていただけに、身近な先輩の活躍がことのほか嬉しかったという。
同時に芽生えた「僕にもやれる」という思い。
「勇太さんが、僕らにもその可能性があることを身を持って教えてくれたんです」。
やはりこの日、藤本くんと同じ4アンダーの6位タイで並んだ日大3年の中西直人くんとともに、未来のプロゴルファーたちが、でっかい夢を追いかけていく。